弁護士 委任契約書

弁護士に依頼する際には、委任契約書を作成することになります。くぬぎ経営法律事務所でも、依頼者の方から委任を受ける際には、必ず委任契約書を作成しています。
委任契約書の内容は、主に、①どのような案件に関する依頼を受けたのか、②弁護士費用はいくらになるのか、という2点が極めて重要となります。
以下、それぞれの内容について詳しくご説明いたします。

 

委任契約書 依頼内容

委任契約書 依頼内容 画像

まず、委任契約書では、①どのような案件に関する依頼を受けたのか、という依頼の内容を明らかにしなければなりません。この依頼内容が明記されていなければ、依頼者の方が、弁護士に対してどのような依頼をしたのか、その内容が不明確になり、案件処理を行う上でトラブルになる可能性があるからです。
ここで、依頼内容をどのように記載すべきかという点が問題となりますが、これは事案により様々です。

例えば、相手方に損害賠償請求を行う案件であれば、「損害賠償請求の件」と明記します。
もっとも、損害賠償請求を行うには、「請求」を行うだけでなく、証拠の収集、現地調査などもしなければならない場合もあります。そのため、「損害賠償請求の件」という記載だけでは十分とは言えず、「損害賠償請求の件及びこれに関する一切の件」と記載することが一般的でしょう。

また、損害賠償請求をする方法には、交渉、調停、訴訟など、実に様々な方法があります。特に、訴訟では、第一審、控訴審、上告審という段階もあります。そのため、損害賠償請求を行うとして、どのような方法で行うのか、仮に、訴訟提起という方法を採る場合には、どの段階での受任なのか、ということまで記載することになります。
なお、訴訟において第一審から控訴審に移行する場合、一般的には、別途、追加着手金が発生します。その金額は、ケースバイケースですが、第一審の着手金の半額程度であることが多いのではないかと思います。

 

委任契約書 弁護士費用

次に、委任契約書では、②弁護士費用がいくらになるのか、という内容を記載しなければなりません。弁護士費用がいくらになるのかということは、依頼者の方にとって最大の関心事でしょう。
弁護士費用の定め方は法律事務所によって様々ですが、一般的には、着手金及び報酬金という形で、弁護士費用を定めることが多いでしょう。

着手金とは、成果の有無にかかわらず、弁護士が事件を対応するにあたり必要となる弁護士費用です。
着手金の特徴としては、仮に、事件が思うように進まず、敗訴になってしまった場合でも、基本的には依頼者の方に返還されない費用となります。弁護士に依頼をした場合には、着手金が発生してしまいますから、弁護士に依頼するかどうかについては慎重に考える必要があるでしょう。

これに対し、報酬金とは事件終了時において発生する弁護士費用を言います。どのような場合に事件終了と言えるのかについては、事案により様々ですが、一般的には、和解が成立した場合や判決・審判などが下された場合などを基準にすることが多いでしょう。
くぬぎ経営法律事務所では、基本的には、旧弁護士報酬基準に則った形で、弁護士費用を定めています。

 

旧弁護士報酬基準

旧弁護士報酬基準においては、金銭請求の場合には、経済的利益に一定の割合を乗ずることで弁護士費用を算出します。
例えば、請求額が300万円の損害賠償請求事件の場合、経済的利益は、請求額の300万円となります。経済的利益が300万円以下の場合の着手金は、経済的利益の8%となりますので、着手金額は、300万円×0.08より、24万円(消費税別)となります。

また、報酬金については、実際に回収した金額を経済的利益とします。例えば、150万円を回収した場合には、回収額の16%が報酬となりますので、150万円×0.16より、24万円(消費税別)となります。

なお、仮に、300万円の損害賠償請求を受けた場合、つまり被告の立場になった場合も、同様に着手金と報酬金を算出します。
経済的利益は、相手方請求額の300万円としますので、着手金額は24万円(消費税別)となります。そして、相手方請求額のうち150万円が認められた場合、150万円の請求分を排除したことになりますので、報酬金額は24万円(消費税別)となります。

 

弁護士費用 実費、日当

旧弁護士報酬基準 画像

弁護士費用には、これまで述べた着手金や報酬金のほか、実費や日当が発生することがあります。
実費とは、交通費、印紙、郵券(郵便切手)、弁護士会照会の費用など、事件を遂行する上で必要になった費用です。一般的に実費が高額になるケースは少ないのですが、鑑定費用などその額が高額になることもあります。そのため、鑑定等の特殊な手続を行うには、注意が必要です。

これに対し、日当とは、遠方の裁判所に出頭しなければならないなど、長時間の拘束が必要となる場合、着手金や報酬金とは別途発生する弁護士費用のことです。日当が発生するかどうかはケースバイケースですが、半日ほどの拘束される場合には3万円(消費税別)、1日の拘束の場合には5万円(消費税別)という取り決めがなされることが多いのではないかと思います。

 

弁護士 委任契約書 まとめ

これまで委任契約書の内容につき、ご説明をさせていただきました。弁護士が依頼内容を遂行するにあたり、委任契約書の作成は必ず必要とされています。もちろん、その内容とは案件ごとに様々ですが、前述の内容は、委任契約書の作成にあたり基本となる事項です。弁護士に依頼する際、委任契約書が作成されているのか、その内容は妥当か、ということなどをチェックする上での参考にしていただけましたら幸いです。

くぬぎ経営法律事務所へのお問い合わせはこちらから

お電話でのご相談03-6458-3845業務時間 9:30~17:00メールでのご相談info@kunugi-law.com

くぬぎ経営法律事務所へのお問い合わせはこちらから

お電話でのご相談03-6458-3845業務時間 9:30~17:00メールでのご相談info@kunugi-law.com