インターネットによる誹謗中傷

インターネットが普及する中、誰もが使える便利なものである反面、その弊害もないとはいえません。

その一つがインターネットによる悪質な誹謗中傷です。

一度、インターネット上に悪質な投稿・書き込みがなされると、その内容は、瞬く間に拡散し、企業様、個人事業主様にとって深刻な風評被害を生じかねません。

誹謗中傷に対する被害に対しては、早期かつ適切に対処することが肝要です。

インターネットによる誹謗中傷

パソコンやスマートフォンが普及する中で、インターネットは私たちの生活において欠かすことができないものになっています。また、企業様・個人事業主様におかれましては、ホームページは営業ツールの根幹として、無くてはならないものとなっており、インターネットは、私生活だけでなく、ビジネスの面でも極めて重要なものとなっています。

もっとも、インターネットが普及する中で、その弊害もないとはいえません。その一つとして挙げられるのが、インターネット掲示板などに、悪質な書き込みをされるなどといった、インターネットによる誹謗中傷です。

インターネット上で悪質な誹謗中傷をされると、その内容は際限なく拡散することから、特に、企業様・個人事業主様におかれましては、対外的な信用が失墜し、ひいては売上にも大きな影響を及ぼしかねません。

しかし、一度、インターネット上に悪質な投稿・書き込みをされると、その削除を求めることは容易ではありません。

当くぬぎ経営法律事務所の代表上村康之は、弁護士・中小企業診断士のダブルライセンスを保有していることから、法律面のみならず、経営的な側面からも、このような悪質な投稿・書き込みに対処することができます。

以下、インターネットによる誹謗中傷への具体的な対策について、ご説明致します。

ウェブ上のフォームを利用しての削除請求

インターネットの掲示板などに悪質な投稿・書き込みをされ、誹謗中傷された場合、可能な限り早期に対処しなければ、閲覧する人が増えるに従い、その被害は大きくなってしまいます。

このような場合、サイトによっては、削除請求のフォームが設けられていることがありますから、その専用のフォームを用いて、削除を要請するということが考えられます。

この方法によれば、実費がほとんどかからない上に、サイト側の方で不適切な投稿・書き込みと判断した場合には、速やかに削除してくれる場合があります。そのため、悪質な投稿・書き込みがなされた場合、まずは試みるべき手段です。

なお、平成29年2月20日付東京地方裁判所判決(判例タイムズ1451 237頁)によれば、弁護士または弁護士法人ではない株式会社が、他人に代わりウェブサイトに掲載された記事を削除するための業務の依頼を受ける旨の契約は弁護士法72条に違反し無効であるという旨の判決が下されました。つまり、弁護士または弁護士法人以外の者に対して削除請求を依頼することは、弁護士法72条に違反する可能性がありますので、注意が必要です。

投稿記事削除の仮処分命令申立

上記削除要請をしても、サイト側が削除に応じなければ、裁判手続を考えなければなりません。裁判手続としては、悪質な投稿・書き込みを削除してもらうために、インターネットのサイトを運営管理する者に対して「投稿記事削除仮処分命令申立」を行うことが考えられます。

この申立を行うにあたり、特に留意しなければならないことは、①サイト運営管理者を特定することができるか、②投稿・書き込みが申立人の権利を侵害しているといえるか、③投稿・書き込みからどのくらいの期間が経過しているのか、という点です。以下、これらの留意事項についてご説明致します。

まず、上記仮処分命令申立を行うには、①サイト運営管理者を特定しなければなりません。そして、この作業が最も難しいといっても過言ではありません。

仮に、ドメイン取得者とサイト運営管理者が同一であれば、ウェブページの「whois検索結果」を用いて、サイト運営管理者を特定するということが考えられます。「whois検索」は、インターネットを通じて簡単に行うことができますから、必ず行うべきです。しかし、ドメイン取得者とサイト運営管理者が異なる場合、この「whois検索」では、サイト運営管理者を特定することができません。そのため、一般的に、サイトの管理運営主体を特定するための証拠としては、サイト管理規約や利用規約等から特定することが一般的でしょう。もっとも、サイトによっては、このような管理規約等でも特定できない場合があり、その際には、後述する「逆SEO」等の手段を考えなければなりません。

次に、上記仮処分命令申立を行うにあたっては、②投稿・書き込みが、申立人の権利を侵害しているものでなければなりません。

申立人の権利を侵害したと認められるには、大きく分けて、(ⅰ)投稿・書き込みが申立人に関する内容であると特定できること(特定性)、(ⅱ)投稿・書き込みが申立人の社会的評価を低下させるものであること、(ⅲ)違法性阻却事由が存在しないことの視点から、個別具体的に判断されることになります。

なお、「違法性阻却事由が存在しないこと」とは、例えば、公務員が賄賂を収受したという情報など、「公共の利害に関する係るもの」であり、その投稿・書き込みが「もっぱら公益を図る目的でなされ」「重要な部分の内容が真実」の場合には、不法行為の成立(違法性)が阻却されるというものです。

 最後に、③投稿・書き込みからどのくらいの期間が経過しているのかということも、重要な視点です。そもそも、仮処分とは、緊急性が高い事案において、裁判所により暫定的な処分を行うものですから、投稿・書き込みから相当長い時間が経過していた場合には、この緊急性の要件を満たさない可能性があります。また、投稿・書き込みがなされてから、相当な時間が経過した記事については、削除の必要性の点においても低下する可能性がありますので、削除請求するにあたっては、早期の対応が望ましいでしょう。

新たなサイトの構築による逆SEO対策

仮処分命令申立を検討しても、その削除が難しい場合、逆SEOによる対策を考えることになります。逆SEOとは、一般的には、検索順位を下げることを意味しますが、当くぬぎ経営法律事務所としては、当該投稿・書き込みが掲載されているサイトの順位を直接下げるという意味ではなく、より優良なサイトを構築することで、相対的に上記投稿・書き込みの順位を下げるということを提案しております。検索順位が高い優良なサイトを構築すれば、それだけ、優良なサイトの検索順位が上がる反面、上記投稿・書き込みの順位は相対的に下がるということになります。優良なサイトの順位を上げるための対策という意味では、SEO対策と全く同じといって良いでしょう。

確かに、新たにサイトを構築するにおいては、専門業者の協力が不可欠であり、時間、費用、労力を要しますので、簡単にできるものではありません。しかし、優良なサイトを構築することができれば、当該投稿・書き込みの順位を相対的に下げるだけでなく、対外的な信用の向上につながり、企業価値を高めることが可能となります。

当くぬぎ経営法律事務所では、逆SEO対策によるサイト構築に関しても、信頼できる専門業者との協力を得つつ、弁護士・中小企業診断士のダブルライセンスを保有する代表上村康之により適切なアドバイス等を行うことが可能です。

インターネットによる誹謗中傷につきお困りの企業様、個人事業主様におかれましては、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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お電話でのご相談03-6458-3845業務時間 9:30~17:00メールでのご相談info@kunugi-law.com

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