弁護士費用 相場

弁護士がご依頼者の方から事件を受任し、委任契約書を締結する際には、弁護士費用の取り決めをしなければなりません。
弁護士費用の金額は事案によりケースバイケースですが、ご相談者・ご依頼者の方から、弁護士費用の相場はどの程度なのか、というご質問を受けることがあります。

くぬぎ経営法律事務所では、基本的には、旧弁護士報酬基準に基づき弁護士費用を定めております。
現在は、旧弁護士報酬基準によらずとも、合理的な内容であれば、弁護士は依頼者の方と自由な内容の委任契約を締結することができます。もっとも、旧弁護士報酬基準は、弁護士費用を算出するにあたり合理的な基準であることから、当事務所においても、旧弁護士報酬基準を参考としております。旧弁護士報酬基準は、弁護士費用の相場と言って良いでしょう。

以下、一般的な相場となる旧弁護士報酬基準を参考にしつつ、弁護士費用に関して詳しくご説明致します。

 

着手金とは?

着手金とは? 画像

まず、弁護士費用のうち、着手金についてご説明致します。

着手金とは、弁護士が事件を受任するにあたり、最初にご依頼者の方からお受け取りする弁護士費用のことです。ここで、ご依頼者の方として注意しなければならない点は、着手金は、事件の成果を問わずに発生する弁護士費用だということです。

弁護士の扱う事件とは、どのような案件でも、必ず成果が出るというものではありませんので、成果を保証することはできません。もちろん、ご依頼者の方から聞いた事情を基にして、可能な限り、見通しをお伝えすることにはなります。しかし、受任当初では、相手方からの主張や証拠等がないこともあり、事件の成果を正確に予測することは、どうしても難しいと言わざるを得ません。

しかし、弁護士としては、成果が出なくとも、一定の結果に至るまで、相当の時間と労力を要します。この時間と労力を要することもあって、受任当初に、着手金をいただくことになるのです。
このように、着手金は成果が出なくとも発生する弁護士費用です。そのため、仮に成果が出なかった場合、ご依頼者の方にとっては着手金分について、いわゆる費用倒れということになってしまいます。このことは、弁護士に依頼をする際のリスクとして、考慮していただく必要があるでしょう。

 

着手金の計算方法

続いて、着手金額の計算方法についてご説明致します。旧弁護士報酬基準において、着手金額を算出する際には、基本的には、経済的利益に基づきます。この経済的利益とは、ご依頼者の方にとって利益となる金額や価値のことを意味します。

例えば、相手方に対して貸金の返還を求める貸金返還請求事件を受任するにあたっては、返還を求める貸金額が経済的利益となります。具体的には、300万円の貸金の返還を求めるケースにおいては、この300万円が経済的利益です。そして、旧弁護士報酬基準によれば、この300万円の8パーセント分が着手金額となりますので、着手金は24万円(消費税別)と算出できます。
他方、300万円の貸金の返還を求められている事件を受任するにあたっても、この請求されている300万円が経済的利益となりますので、着手金は同様に24万円(消費税別)となります。

もっとも、このように金額が明確なものについて、経済的利益の額を算出することは容易なのですが、遺産分割事件など、不動産の取得をめぐっての事件では、不動産の価値が経済的利益となりますので、その価値とはどのくらいなのか、評価額が問題となります。
不動産の評価額とは、本来であれば、市場評価額、つまり時価が相当なのですが、市場評価額は、一般的に固定資産評価額や路線価よりも高額ですから、着手金額も高額になってしまいがちです。
そこで、くぬぎ経営法律事務所では、ご依頼者の方の負担をなるべく軽減させるために、不動産の価値を経済的利益とする場合、基本的には、固定資産評価額または路線価を基に算出しております。

このように着手金額は、経済的利益を基に算出するのですが、事件当初については、この請求額が全て認められ得るものなのか、あるいは請求が排除され得るものなのか、明確に判断することは難しいと言わざるを得ません。くぬぎ経営法律事務所においては、着手金額につきましては、相場となる金額にとらわれることなく、ご依頼者の方の意向を踏まえ、十分に協議を行うことで決定することを心がけております。

なお、旧弁護士報酬基準によれば、着手金の最低額は10万円(消費税別)とされています。もっとも、くぬぎ経営法律事務所においては、受任当時着手金を用意することが難しい場合、遺産相続交通事故過払い金など、ある程度回収可能性が高い事案であれば、弁護士費用を成功報酬ベースとしてご依頼いただくことも可能です。お気軽にお問合せいただければ幸いです。

 

報酬金とは?

次に、報酬金についてご説明を致します。
報酬金とは、一般的には、事件終了時において、一定の成果が生じた場合に発生する弁護士費用を意味します。事件終了時とは、相手方との間で和解が成立した、裁判所による判決が下されたなどの一定の結果に至ったことを意味します。そして、報酬金の金額は、この結果に基づき、ご依頼者の方にとっての成果の程度により算出することになります。

例えば、貸金返還請求事件において、相手方から、和解等により、300万円のうち150万円を回収できたとします。この場合、ご依頼者の方が獲得した経済的利益は150万円ということになりますから、旧弁護士報酬基準によれば、この150万円の16%が報酬金額となりますので、24万円(消費税別)が報酬金となります。

 もっとも、事案によっては、経済的利益の金銭的な評価が難しい場合があります。また、受任当時では想定していなかった形での解決ということもあり得ます。このような場合には、それまでに費やした労力やその成果の内容を踏まえ、ご依頼者の方の意向に沿って報酬金額を決するようにしております。

 

実費とは?

実費とは? 画像

さらに、着手金や報酬金以外にご依頼者の方にご負担いただく、実費についてご説明致します。

実費とは、その名のとおり、事件を処理するにあたって、実際に必要となる費用を意味します。
例えば、訴訟提起をするにあたっては、訴状に収入印紙を貼付しなければなりません。その収入印紙の額は、300万円の貸金の返還を求めて訴訟を提起する場合、2万円の収入印紙が必要となります。
また、訴訟提起にあたっては、相手方に対して訴状を送達するなどのために、郵便切手を裁判所に予納しなければなりません。この郵便切手のことを予納郵券と言います。例えば、被告が1名の場合、一般的には6000円分相当の郵便切手を裁判所に予納する必要があります。
このように、訴訟提起をするにあたっては、弁護士に対する費用だけでなく、収入印紙や予納郵券という実費も必要になることを忘れてはなりません。

さらに、弁護士が裁判所を訪れるには、交通費が必要となります。くぬぎ経営法律事務所においては、裁判所が東京地方・家庭・簡易裁判所、さいたま地方・家庭裁判所、横浜地方・家庭裁判所、千葉地方・家庭裁判所松戸支部であれば、交通費がそれほど高額になることはありません。しかし、遠方の裁判所の場合には、交通費がかなり高額になる可能性もあり、軽視することはできません。当事務所では、ご依頼者の方の負担を少しでも軽減するべく、裁判所が遠方の場合、電話会議やウェブ会議の制度を活用することができないか検討するようにしております。

その他にも、証拠収集のために、弁護士会照会制度を利用する場合にはその手数料(約1万円)、裁判所における鑑定を行う場合には、鑑定費用などの実費が必要になることもあります。事案により必要となる実費は様々ですが、裁判手続等を利用する場合には、これらの費用が必要になることも忘れてはならないでしょう。

 

日当とは?

最後に、日当についてご説明いたします。

例えば、遠方の裁判所において訴訟手続を行っていた場合、普段は電話会議やウェブ会議を活用することで、裁判所に出頭せずに審理を行うことが多いのですが、証人尋問等を行う際には、実際に裁判所を訪れなければなりません。このような場合、拘束時間が長時間にわたることもあり、着手金や報酬金、交通費の他に、日当として、別途弁護士費用が発生することがあります。

日当の金額についてですが、くぬぎ経営法律事務所においては、拘束時間が半日程度であれば1万5000円から3万円程度、拘束時間が丸1日であれば3万円から5万円程度としております。

もっとも、顧問契約を締結していただいているご依頼者の方においては、原則として日当は発生しないことにしております。

 

まとめ

これまで一般的な相場となる旧弁護士報酬基準を参考にしつつ、弁護士費用についてご説明をしてきました。
もちろん、弁護士費用は個別の事案ごとによりますので、画一的に定まるものでありません。しかし、くぬぎ経営法律事務所においては、ご依頼者の方にとって、なるべくご負担が生じないよう、委任契約書締結の際には、弁護士費用の相場を示しつつ、ご依頼者の方のご希望を十分に配慮した上で、弁護士費用を定めることにしております。
弁護士へのご相談を検討されておられる方の中には、弁護士費用が高額になることを懸念し、相談を躊躇されておられる方もいらっしゃると思います。くぬぎ経営法律事務所では、弁護士費用については、相場にとらわれることなく、柔軟に対応させていただいておりますので、お気軽にご相談いただければ幸いでございます。

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お電話でのご相談03-6458-3845業務時間 9:30~17:00メールでのご相談info@kunugi-law.com

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